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ベンチャー流Webサービスの作り方(企画編)

Sun Jun 17 19:55:09 -0700 2007

尾藤正人(a.k.a BTO)です

僕はウノウが株式会社化するタイミングでウノウに参画しました。 それ以来はずっと二年半程Webサービスの開発に従事してきました。 ウノウに参画した当初はWebサービスのことは全く分かっておらず、 単なるLinux好きのエンジニアにすぎませんでした。

ウノウ株式会社の創業時に参画することにより、 サービスの企画から開発、運用まで携わることができました。

最初はエンジニアが自分一人だけだっとところから、 現在のように数多くの優秀なエンジニアを抱える企業に成長するまでの組織作りにも関わることができました。

全く経験のないところから始めたので、それこそいろんな失敗を重ねてきました。 そこで今までの経験を元にベンチャーがWebサービスを開発するにあたって気をつけておいた方がいいことをまとめてみます。

Webサービスの開発を始めるには、何はなくとも企画から。 今回はWebサービスを企画するにあたって気をつけたいことをまとめます。

・自分が思いついたことは他人も同じことを思いついている

人間の想像力はそれほど他人と変わるものではなく、 自分が思いついたアイデアは他の人も同じことを思っている可能性が高いです。 大事なのはそれを実際に形にする行動力。

・行動力

思いついたらまず行動しましょう。 すぐに行動しないと判断がブレます。 行動しないと何も生まれません。 「それ同じこと考えてたんだよね」と後でいうのは完全に言い訳です。

・スピード重視

とにかくスピードを重視しましょう。 遅延はコスト増、成功確率低につながり、いいところはほとんどありません。

・少人数体制

企画は少人数で行いましょう。 人数が多いと「船頭多くして船山に登る」になってしまい、 決定事項も全員の意見をうまくまとめた最小公倍数的なものになってしまいます。 これでは、思い切ったことや、大きなことができません。 相談するのはいいですが、最終的な決断は一人、多くても二人で行うのが理想です。

・ブレストをしよう

単なるアイデア出しは人数が多い方がいいです。 いろんな人と話をしたり、ブレストしたりしていろんなアイデアを出しましょう。

・機能追加は慎重に

Webサービスは気軽に機能拡張することができます。 そのためいろいろ機能を追加しがちですが、 一回追加した機能を外すのは機能を追加するよりも難しいです。 新機能の追加は慎重に行いましょう。 「システムを複雑にするのは簡単だが、簡単にするのは難しい」を肝に銘じておきましょう。

・ユーザの反応は予想と違うと考えよう

ユーザの反応、使い方は企画者側が想像したのと違うと考えておくべきです。 予想通りだったら問題ないですが、 予想通りいかなかった場合にうまく舵取りできるような体制にしておかないといけません。

・ユーザ視点で考えよう

Webサービスはユーザに使ってもらわないと意味がありません。 「ユーザの反応 >>>> 自分のやりたいこと」の図式を頭に叩き込んでおきましょう。 自分のやりたいことを優先させるのは単なる自己満足にすぎません。

・コアユーザは少ないことを認識しよう

熱狂的に使ってくれるようなコアユーザの割合は基本的には少なくて、 せいぜい一割か多くて二割ぐらいです。 アクセスの多くを占めるのは傍観者で、多くの傍観者を生み出すのがコアユーザです。 コアユーザに喜んでもらえるようなサービス作りを心がけましょう。 コアユーザに気に入ってもらわなければサービスは伸びません。

・聞いていい意見といけない意見をしっかり区別しよう

ユーザからの意見はしっかり聞きましょう。 そして聞いていい意見といけない意見をしっかり区別しましょう。 聞いていいかどうかの判断は非常に難しいですが、 コアユーザに喜んでもらえそうな意見を採用しましょう。

サービスを大きくするには広がりが大事です。 他のユーザに影響の与えないような意見は開発コストがかかるだけで、 サービスが大きくなる原動力にはなりえません。

・自分のリテラシーを徹底的に下げる

ユーザは自分達が想像するよりも無知であることを認識しましょう。 「これぐらい分かるだろう」という考えは危険です。 自分のリテラシーを徹底的に下げて物事を考えるようにしましょう。

・方向転換する勇気

サービスを立ち上げた人は自分の考えにこだわりのある人が多いです。 ユーザの反応を見て、想像と違った場合にそれを認めるのは勇気のいることです。 ユーザの反応がよくない場合はそれを素直に認めて方向転換しましょう。

Flickrが最初はMMORPGを開発する会社だったのがうまくいかず、 写真共有サービスとして方向転換して成功したのが顕著な例です。 ここまで大幅な方向転換は稀ですが、小さな方向転換はいろんな場面ででてきます。

・シンプルに

とにかくシンプルにしましょう。 基本的にWebサービスの開発は「企画->開発->ユーザの反応を見る->企画」の繰り返しです。 先に述べたように、追加した機能を外すのはそんなに簡単ではありませんし、 予想と違って方向転換を行う必要がいくつも出てきます。

最初に作り込んでしまうと、 ユーザの反応がよくなかったときに方向転換するのが難しくなります。 できるだけシンプルにしておいて、まずはユーザの反応を見ましょう。 ユーザの反応が良ければ拡張・継続、悪ければやめればいいだけです。

・こだわりを持とう

ユーザの反応を見て素直に認めるのも大事ですが、時にはこだわりも大事です。 周りから大反対されても自分の信念に従って突き進むことも必要です。 iPod登場時のAppleユーザの反応は冷ややかでした。 何がうまく行くかなんてのは誰にも分からないし、 最初からうまくいくことも多くはありません。

・あきらめない

たとえ自分が考えた通りにうまくいかなくても粘りましょう。 どん底の状態でも起死回生は可能です。 あきらめた時点で終わりです。とことんやりましょう。

・愛だよ、愛 by Keita

最終的に大事なのは、そのサービスに対する愛です。 どんなに優秀な人でも、あなたがそのサービスにかける情熱には勝てません。 この熱意がサービスを成長させるためには必要です。

・まとめ

Webサービスを開発するにあたって企画の部分で気をつけないといけないことをまとめてみました。 人それぞれ考え方は違うとは思いますが、僕なりに経験を重ねいろいろ考えた上で現在の結論に至っています。 今後自分でWebサービスを開発したい方の参考になれば幸いです。