原田 和英さんの「巨大人脈SNSのチカラ」という本を読んだので、レビューさせてもらいます。
中でも個人的に注目したポイントに感想を付け加えながら書いてみます。
■SNS7つの構成要素
7つの要素とは、Identity、Presense、Relationships、Conversations、Groups、Reputation、Sharingである。
Identity:一貫した個人を保証
Presense:SNSにいるという息吹を感じられるような仕組み
Relations:友人を把握する仕組み
Conversations:メッセージだけではなく日記のコメントやコミュニティのトピックといった対話
Groups:共通の何かを持った集まり
Reputation:個人ページを見たときに自分がどのような人間かぱっと分かる仕組み
Sharing:共有すること
SNSを要素ごとに分解するとこうだ、みたいな感じです。
特にPresense「存在」という感覚はおもしろくて、存在することにはコストがかかるとも述べられています。
本の中での例に
メッセンジャーにおいて、ひとたびメッセージが入れば、今までしていた作業は中断され、再度戻るのには時間がかかる。
その場合、存在のコストは受けてが一身に受けていた。
これはリアルの世界での、人と待ち合わせるとき相手に遅刻されて待っている状況に近いと思います。
時間というコストに換算するとわかりやすいですが、でもなかなかSNSをしている時間をコストだとは捉えがたいかもしれません。
今後はこのコストもどんどん小さくなっていくのでしょう。
”友達の日記一覧”を繰り返し見なくてもいいような状況に。
■個人のSEO
「オンラインで人を見つけるもっとも基本的な方法は、彼らにあなたを見つけてもらう努力をすることだ。」
「個人のSEO」これ、個人的にキーワードでした。
SNSのおかげで簡単にオンラインへの露出ができるようになっています。
メディアへの露出が高い人は、やはりビジネスチャンスが多いのではないでしょうか。
アルファブロガーの中にもブログを通して個人のSEOを実践している人がいるかもしれませんね。
ただこの本では「見つからないようにする努力」も必要とも書かれており、バランスが難しいですが。
■新しい仕組みのSNS
世界のSNSに目を向けると画期的な仕組みを提供しているものもあります。
LinkedInはビジネスの繋がりを重要視したSNSなのですが、自分が必要とした人材にメッセージを送るには紹介してもらわないといけません。
つまり仲介人がいないと繋がることができないSNS。
双方を知っている人間が仲介することにより信頼性のある繋がりを持つことができる、というわけです。
またjamboというSNSもおもしろい。
これはNYのラガーディア空港内だけのSNS。
空港という、物語が生まれそうで生まれない場所だからこそ、このSNSは、利用者にとって何かしらのロマンを提供する。
とありましたが、ちょっとロビーの待機時間にやってしまいたくなりそう。
さらにはクイズ型のSNSなんてのも紹介されていました。
Tickleというのですが、登録する際に自分に関するクイズも登録する。
そして友人がそのクイズをやり正答率に応じてその人との関係性がわかるという仕組み。
一般的なクイズもあるらしく、それによってその人が何に詳しいかわかる、というものも。
新しいですね。
どれも日本にもあったら使ってみたいですね。
■あなたが「だれ」を知っているか
「あなたが何を知っているか、ということは大事だが、同時に大事なのは、あなたが『だれ』を知っているか、ということだ。」
~
自分が持っていないものを持っている人たち、あるいは、自分が知らないことを知っている人たちこそが重要なのだ。
狭い世界に篭ってるよりか、色々な業界の人と繋がってる人は価値が高い、ということなのでしょう。
でも、これは人脈という点で非常に大事なポイントかもしれません。
エンジニアだけで集っていても、お互いに技術の切磋琢磨はできますが、それ以外の領域で活躍するためには何かもの足りない、とも思ったり。
■人脈ネットワーク作りに必要な6つの要素
・常にネットワークを広げる機会を探せ。
・常にネットワークを築け。交流会やパーティなどで。
・恥ずかしがるな。
・近くの人々のことについて、覚えておけ、書き溜めておけ。
・弱い紐帯の重要性を知っておけ。時には知人程度の人の日記も読もう。
・ネットワークを動かすために、ネットワークの人々にいいことをしろ。
特に6番目は重要だと思います最近。
SNSでやたら告知メールとか送りつけてきたりする人は敬遠されるとも書かれています。
たしかにリアルの世界でもこういった人って結構いて、交流会やパーティでやたらと名刺を配り営業されている方。
それはそれでいいかもしれませんが、みんなが交流会に何を求めてくるのか。
まず相手のニーズを聞き、それに応えられるような人と出会えたらうれしいですよね。
逆もまた然り。
最後に、「今後のSNSについて」という欄外のコラムからいくつか紹介させていただきます。
非常におもしろいです。
また、著書の原田さんにお会いする機会がありまして、お聞きしたところこの部分にはかなり注力したとおっしゃっていました。
「今後のSNSについて」この本の裏題なのかもしれませんね。
- SNSは「所有するものになる」
- SNSはより友人の流動性を反映する必要がある
- SNS内のネットワークを自動判別し分類する
- 紹介文が固定化する問題
- 利用者が他界したときの問題
- 会話を促進する機能
もっと詳しく知りたい人は是非ご一読を!
※P.104にフォト蔵も紹介していただきました。ありがとうございました。
巨大人脈SNSのチカラ
posted with amazlet on 07.02.28
原田 和英
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